開業1年目には、どの位の売上(年収)が可能か?
開業1年目の目標設定

何にしても目標は高く掲げた方が良いとは思います。しかし、独立開業する目的や目指しているビジネス領域、さらにはこれまでの社会人経験や能力、適性、営業人脈などなど、スタートラインに立った時から個人の能力差は大きく、「初年度からでも、この程度の売上なら可能でしょう」などと一概に言うことは難しいと思います。

それぞれの人の目標にしても「独立開業するなら絶対一千万円以上の収入を実現する!」という人から、「うちは共働きだから、楽しく仕事ができれば売上にはそれほどこだわらない」という方までさまざま。ここでは少し地味に、最低限どの位の仕事量(売上)があれば、及第点か? という収入を考えてみましょう。

仮に、あなたが一人暮らしで家賃が10万円の賃貸マンションに住んでいるとします。行政書士なら自宅開業も可能なので、まずは自宅で仕事をスタートさせるとします。自分ひとりで仕事をしていれば、仮に仕事上の経費(交通費やPCなど事務機器の維持、各種消耗品など)が仮に5万円程度かかったとしても月々の売上が30万円あれば、何とか生活していけるのではないでしょうか? この金額ですと、あくまで“何とか”暮らしていける、というレベルで生活に余裕がなく、発展性がないようにも思えます。

それでも、この30万円を毎月稼ぐためには、どの程度の量の仕事をすれば良いのでしょうか? 行政書士の業務に対する報酬額は各行政書士が自由に定めて良いので、同じ仕事をしても行政書士によって幅がありますが、参考までに行政書士会のWEBサイトにある、報酬額統計を見てみましょう。

例えば、自動車保管場所証明書(車庫証明)の発行は、平均報酬金額が12,115円。最小値はなんと、500円。4,000円未満の方が、回答者数405名中、23名もいらっしゃいます。ちなみに、最大値は84万円! 詳細は不明ですが、車庫証明の仕事で80万円を超える報酬が得られれば、年収一千万も簡単そうです。しかし、まあそれも極端なレアケースだと思いますので、便宜的に平均に近い報酬10,000円を請求できたとします。月額30万円をかせぐためには休み無く働いて、毎日1件仕事を処理する必要があります。

この仕事量なら一人でも全く問題なくこなせると思いますが、既にお気づきのとおり、問題なのは仕事をどう確保していくかとう営業面なのです。仕事の依頼が順調になれば、価格設定についても余裕が出てきます。営業方法については、多くの行政書士の先輩方が、WEBサイト上、あるいは書籍で自説を紹介していらっしゃるので、ここで私は語ることをしませんが、ステップアップのための心がけについて、最後に一言。

私の経験では、開業スタート時は仕事の報酬金額の多寡を気にせず、依頼や紹介があった仕事は積極的に対応した方が良いと思います。ともかく積極的に仕事の獲得に動いてみることが大切。どんな仕事でもきちんと行えば、リピートして依頼してくださるお客様となりますし、その仕事によって人脈も広がっていきます。ある程度自分の適性や営業的な方向性が見えた段階で、自分の得意な領域に業務を絞り込み、専門性や経験値を磨いていきましょう。より付加価値の高いサービスを提供できるようになれば、一件あたりの報酬金額も高めていけると思います。



[Link] >>現役行政書士が仕事や年収の実態を語る特集ページ(提供:フォーサイト)